第6回よなご映像フェスティバル 審査講評 2
第6回よなご映像フェスティバル 審査講評 2
  • Posted:
  • 2013.10.31
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6回よなご映像フェスティバル 審査講評   石塚慶生審査委員

今回、初めてよなご映像フェスティバルに参加させていただきました。いつもは自分の作品を観ていただく立場の私が、審査する側になるのも貴重な経験であり、ご依頼を受けたことをうれしく思います。一次審査を通過した25作品は、ドキュメンタリーあり、アニメーションあり、ドラマありと、バラエティに富んでおり、応募者の年齢、性別等も多岐にわたっていました。グランプリを受賞した馬場美紀さん『ネジとねこ』は、圧倒的な深い世界観、もちろんアニメーションとしての技術・編集・音楽等も高いレベルでしたが、作品の持つテーマ性、大人でも子供でも感じることのできる、時代を超えて“残る”作品だと思いました。準グランプリ、小森渉さん『My color』は、色覚異常という、ふだんわれわれが理解しづらいテーマを設定し、しかもそれが最後には救われるという、わずか3分間の中に感動的なドラマを作っています。それをこの若さで、ピュアな感性で実現したところに、大きな可能性を感じます。石塚賞、黒木智樹さん『CYCLOID』は、ほぼワンカットのアニメーションでぐるりと地球をまわっていく-いろんな時代、いろんな世界を、短い時間の中で体験させてくれる、すごい力だと思います。風景や色使いの美しさは、手間と時間がかかっていることを感じさせます。これほど実力のある方は、今後も作品を作っていかれるでしょうし、新作も見続けていきたいと思わせる作品でした。特別賞、片岡けんいちさん『せつこ占い』。とにかく監督に会いたかった!常人の発想ではありえない-映像は汚い、編集はヒドい、せつこさんは狂ってる...。これほどインパクトのある作品はこれだけで、まさに特別な存在でした。