●グランプリ作品「うなぎ」
日本がこれから迎える超高齢化社会の一断面をみずみずしく紹介していただいたと思います。 近い将来、映像作品の制作というジャンルにどかどか参入してくると思われる年齢層、アツイ世代の予感を感じます。 核家族化が進み、世代間コミュニケーションに疎くなった我々日本人に、人生の先輩たちの感性、視点、思いなどを リアルに伝えてくれる新しいジャンルとして、これはすごく成長する分野だと強く思います。 漫画やアニメ、コスプレなどを中心としたサブカルチャーでまちづくり、というのが最近の米子市の風潮ですが、リタイア組の映像表現分野はサブカルチャーとしてかなり、これ、面白いです。 米子発の新しいムーブメントとして、大化けするかもしれませんよ。フェスティバルの将来を見据えたエポックメイキング、記念碑的作品として「うなぎ」を グランプリにワタシは推薦したのであります。
●準グランプリ「赤塚溜池公園 川鵜撲殺事件」
普段めったに遭遇することのない場面を非常に斬新な編集の仕方で、エンターテイメントに昇華した手腕に脱帽しました。
●松村宏賞作品「Another Brother」
この作品のユーモアには、脱毛、いや脱帽しました。 標準より若干髪の毛が不自由な男性ふたり。どうやら異母兄弟らしい。 他人のようで、実は血が繋がっている。初対面の兄弟のコミニュケーションのぎこちなさが、つい吹き出してしまうくらい面白く、違和感を執拗に描くこの作品。 そのアイデアと、キャスティングの見事さに、松村は間違いなくやられました!